『和を以て貴しとなす』
聖徳太子が制定したとされる十七条憲法の第一条に出てくる、この言葉。
日本人なら、誰もが、一度は耳にしている言葉ではないでしょうか。
『和を以て貴しとなす』とは、「調和こそが最も大事なことである」という教え。
一般的には、「仲良くしなさい」「争うのではなく、納得するまで議論しなさい」など、人間関係における教訓と解釈されています。
しかし、最近、これは、もっと深く、広い意味合いがあるのではないかと感じてます。
『和を以て貴しとなす』の『和』とは、「すべての調和」を指しているのではないかと…。
というのも、日本には、古来、森羅万象(宇宙に存在するあらゆるもの)に神が宿っていると信じ、神に感謝しながら、神ともに生きる『八百万の神』という思想・考え方があります。
これに通じているように思えるのです。
つまり、宇宙に存在するものはすべては、この宇宙を創った根源神の分身。
お互いが存在するからこそ、幸せを感じられる。だから、感謝・尊重しながら生きなさいと。
だから、『和』の対象は、森羅万象(宇宙に存在するあらゆるもの)。
人間関係だけではなく、自分自身を含め、人、社会、自然など、あらゆるものとの調和。
そのすべてにおいて、調和、バランスを取り、互いが心地がよい状態を保つことが大切です。
我欲を満たすために、誰かや動物、自然、地球が犠牲になる。
これでは、調和が取れているとは言えません。
争いにならないために、いつも自分を抑え、犠牲にしている。
これも、調和が取れているとは言えません。
他にも、考え方、やり方、仕事(or学校)とプライベートのバランスなど、日々の暮らし方、自分自身の中にもバランスの悪いものはありませんか。
そのアンバランスさが、問題を引き起こします。
人間が地球の生態系の頂点にいるかのように錯覚し、やりたい放題。
それにより、生態系、自然のバランスが崩れ、様々な環境問題や自然災害が生じています。
また、人間同士においても、不調和、不均衡な状態がまかり通っています。
富めるものとそうでない者、支配する者とされる者、管理される者とされる者。
他にも、人種、男女、学歴など、様々な人間同士の間で、アンバランスが生じています。
それが、イジメ、セクハラ、パワハラ、病気、自殺、戦争など、様々な問題を生んでいます。
これらの問題は、バランスが取れていない所に、バランスを取るために起こるのです。
今年、世界中を困らせているコロナも、その一つです。
陰謀論が好きな方は、闇の組織が、人工災害や疫病を巻き散らし…。
なんて思われるのでしょうが、その闇なる組織も、『八百万の神』の思想では神。
根源神である大いなる神の分身として、役割を果たしているだけです。
アンバランスな所に、バランスを取るような作用を与える。
これは、宇宙の法則。
宇宙、根源神は、あらゆる手段を投じ、バランスを取ろうとするのです。
それは、人間にとっては不都合なことでも、宇宙規模では善なる方向。
森羅万象が調和を保ち、幸せになる方向なのです。
人間は、身辺に起こる問題から、不調和を生んでいる原因に気づき、改める必要があります。
調和こそ、この世のすべての存在が幸せになる方法。
『和を以て貴しとなす』は、皆が幸せになる方法なのです。
それは、自分も含め、すべての物事を愛で判断し、愛で行動し、愛で繋がることでもあります。
愛こそが調和のもと。行き過ぎた我欲は、調和を崩します。
この先、どうなるかわからない、混沌とした今こそ、『和を以て貴しとなす』を体現する時。
まずは、和の国の民である日本人、また、日本に住む人々から、それを体現しませんか。
そして、世界へと広げれば、この地球は、幸せに満ちた世界になるはす。
『和を以て貴しとなす』
この言葉が、悠久の時を経ても、なお、わが日本に生き続けていることを誇りに思います。