人間関係で何かあると、ストレスのもとである相手を責めたり、あきらめて耐え続けたりとかしがちですよね。でも、結局、状況は変わらず、ストレスがたまる一方なんてこと、よくあります。では、どうすれば、この状況から少しでも改善することができるのでしょうか?
それは、「視野を広げる」ことかと思います。
先日、ご紹介したインド寓話の盲目の僧と象のお話(参照)のように、盲目の修行僧が象の一部分のみを触って象という動物を語ろうとしても無理があります。象をより正確に語ろうと思えば、いろいろな位置から、広範囲に象を触ってみないと、わかりません。
人間関係も同じです。起きた状況をずっと同じ視点から見ても、見えるものは一緒。結果、今までと同じような行動をして、同じ状況を続けることになります。
では、どのようにして視野を広げばいいのでしょうか?私自身が、長い会社生活を経て知り得た方法を5つに絞って紹介させていただきます。
人間関係に悩む人がすべきこと
①自己点検
相手に、「身勝手な要求をしていないか」、「不愉快な思いや、誤解を招くようなことをしていないか」など、相手に対する自分の言動を振り返ってみましょう。
また、あなたを不愉快な気持ちにしている出来事は、「事実なのか(誰かの言葉を鵜呑みにしていないか)」、「勝手な憶測や想像で状況を悪く解釈していないか」、「その出来事により、あなたにプラスになることはないか」など、出来事の真意・真相を再確認しましょう。
また、あなたの置かれている状況についても整理しましょう。「そこにいたいか」、「そこで、あなたの良さを生かせるか」、「そこでしたいことがあるか」、「そこでしたいことは自分が本当にしたいことか」、「他にしたいことはないか」、「したいことをあきらめていないか」、「あきらめなくても、近づける方法はないか」など、様々な視点から点検しましょう。
②相手を知る
相手を知ることも大切です。いくら、自己点検をしても、相手を知らないと見えないこともあります。その相手は「どんな環境で育ったのか」、「どんな生活をしているか」、「どんな性格か」、「良いところはないか」、「他の人にも自分と同じようなことをしていないか」、「何に興味を持っているのか」、「劣等感や不満に思っていることはないか」、「会社やプライベートで大変な状況に立たされていないか」、「自分にあって、相手にないものはないか」、「相手にあって、自分にないものはないか」など、いろいろな角度から相手を知りましょう。
③相手を認める
自分が悪いと思っていても、一方的に非難されると、ついつい反撃に出たくなりますよね。
また、こちらに非がなくとも、難癖を付けたり、不愉快な気分にさせる人は、自分に不満を抱えています。人を攻撃したり困らせることで優越感に浸ったり、ストレスを発散させているのです。こういう人は、人に認めてもらいたいのです。褒められたり、感謝されたいのです。
嫌な相手を認めるのは難しいですが、一歩引いて上に立つという方法もあります。相手を認めるところ・機会はないでしょうか。例えば、その場では、一旦、相手を受け入れて、後日、相談にいくとか、あえて落ち度があったかのようにして、指摘した相手を感謝した上で、こちらの要求をお願いするなどしてもよいかもしれません。口うるさい上司などには、凡ミスを用意して、それを指摘したら、大げさなくらいに感謝すると満足するかもしれませんよ。日頃から、さり気なく、相手を褒めたり、感謝したり、喜ぶようなことをするのも効果的です。
④距離を置く
あれこれ、対策を打っても、どうしようもないことってありますよね。そういう時は、あえて、距離を置くという方法もあります。距離を置くことで、今まで見えなかったものが見えたり、それが相手にも起きたりして、収まるところに収まり、時が解決してくれることもあります。
中には、あまり近づかない方がよい相手もいます。万人と仲良くするのは、所詮、無理なことです。誰にでも好かれようとしたら、その人に合わせて、自分を変えないといけなくなります。そうすると、自分の良さもなくすことになりますよ。そこまでして、みんなに好かれないといけないのでしょうか?あなたの明るさを好意的に見ていた人が、あなたが暗くなると心配します。
あなたの良さを受け入れない人や、自分の要求ばかりをしてくる人とは、完全無視も問題を生じかねないので、挨拶と必要最小限の会話にとどめておきましょう。
⑤気分転換
いろいろと考えすぎても、出口のない迷路に入り込んでしまって、体調を壊しかねません。自問自答し、現状でやれることをしたら、そのことは、一旦、置いておきしょう。
あなたが、好きなことや以前からしてみたかったことをしてみませんか?あるいは、自分の感覚なら絶対選ばないことに、あえてチャレンジすると、何か発見があるかもしれませんよ。案外、全く関係ないことの中に問題解決のヒントが潜んでいたりします。海や山など自然の中に身を置くのもよいかもしれませんし、ボランティアなど困っている人を支援することで得ることもあるかと思います。あなたの日常から飛び出して、ぜひ、違う世界、新しい世界を感じてください。
いろいろと書いてきましたが、悩んでいる時は視野が狭くなり、物事を悪いように取りがちです。その状況は本当に悪いことなのでしょうか?例え、今は悪い状況としか見えなくても、後から振り返ると、その経験があったからこそ、今があるってことも往々にしてあります。
といっても、体調を壊してまで我慢しろとは言ってません。あなたには、もっと最適な居場所があるのに、そこに居続けるから、天の計らいで、嫌なことが続くこともあります。
それぞれの置かれた状況によって違いますので、起きている状況をいろんな角度から見て、どうすれば、あなたが幸せになるのか、楽しい人生を送れるのか、自分の心が納得のいくことをしていただければと思います。縁あって、このページにたどり着いたあなたの幸せを願っています。
もしよろしければ、「人間関係に悩む人がすべきではないこと」という記事も参考にされてください。