白色申告と青色申告の違いをご存知ですか。
「青色申告は難しそう」、「大した売上がないし…」といった理由で、なんとなく白色申告にするのはもったいないですよ。
記帳の手間は、青色申告の簡易簿記と白色申告とでは、大差ありません。
帳簿づけが難しい複式簿記でも、会計ソフトを利用すれば、初心者でも何とかなります。
また、青色申告では、3年間は、赤字を翌年に繰り越せます。
その他にも、節税につながる特典が利用可能です。
後から「しまった!」と後悔しないように、しっかりと知識を身につけましょう。
白色申告と青色申告の違いとメリット・デメリットをご紹介します。
白色申告と青色申告の違い
白色申告と青色申告の違いをご紹介します。簡単に言えば、下記4つに違いがあります。
- 申請手続きの有無
- 帳簿への記帳の手間
- 決算書の種類(青色申告決算書 vs 収支内訳書)
- 節税効果
さらに、ざっくり言えば、手間と節税効果の違いと言えるでしょう。
白色申告のメリット・デメリット
では、白色申告のメリット・デメリットをご紹介します。
下記をまとめると、手間はあまりかからないけど損をするのが、白色申告です。
1.白色申告のメリット
メリットは、『あまり手間がかからない』ということです。
青色申告は事前に申請手続きが必要ですが、白色申告は『申請手続きが不要』です。
青色申告の申請手続きをしないと、自動的に白色申告になります。
また、『帳簿への記帳の手間が比較的かからない』のもメリットです。
簡易簿記(単式簿記)のため、青色申告の複式簿記ほど複雑ではありません。
但し、青色申告でも、簡易簿記を選択可能です。
2.白色申告のデメリット
デメリットは、青色申告で利用可能な『節税効果が高い特典を受けられない』ことが挙げられます。
これに尽きるのではないでしょうか。何事も楽すれば、得られるものも少ないのです。
特に、国のシステムというものは、国民にとってメリットのあるものは、自ら情報収集し、手続きしたり、努力をしない限りは、その恩恵を受けられないようになっています。
「知らなかった」、「面倒だから」と、そのままにしておくと、損をします。
青色申告のメリット・デメリット
次に、青色申告のメリット・デメリットです。
メリット・デメリットをまとめると、手間はかかるけど得をするのが青色申告です。
1.青色申告のメリット
メリットは、何と言っても『節税効果』です。
青色申告では、下記、節税効果が高い様々な特典を受けられます。
- 青色申告特別控除:簡易簿記で年間10万円、複式簿記で年間65万円の控除が可能
- 青色専従者給与:身内に払った給与を経費として計上可能
- 純損失の繰り越し控除:最大3年間、赤字を翌年に繰り越し可能
- 貸倒引当金:年末に残っている売掛金や貸付金などの売掛債権・金銭債権に対し、5.5%(金融業は3.3%)以下の金額を貸倒引当金として計上可能
- 少額減価償却資産の特例:30万円未満の備品代等を合計300万円まで経費として一括計上可能
ちなみに、白色申告では、10万円未満の減価償却資産までしか一括計上できません。そのため、10万円以上のものは、固定資産として、複数年かけて、減価償却費として計上が必要です。
青色申告だと、30万円までの備品などでは300万円まで一括計上できるため、手間がかからない上、利益が多く出そうな時は、少額減価償却資産の特例を利用して、節税できます。
2.青色申告のデメリット
デメリットは、『手間がかかる』ことかと思います。
まず、青色申告をしたいなら、『開業届と青色申告承認申請書の提出が必要』になります。
しかし、記入して、必要書類ともに、所轄の税務署に提出すればよいだけのことです。
それほどの手間はかかりません。税務署でも、あっさりと手続きが終わります。
但し、提出期限には注意が必要です。開業届は、開業から1ケ月以内、青色申告承認申請書は、開業年度に青色申告するには、開業から2ケ月以内の提出が必要です。
と言っても、提出期限を過ぎてもペナルティは存在しません。
気づいた時点で、速やかに提出しましょう。
但し、青色申告承認申請書は3月15日を過ぎると、提出年度の確定申告は白色申告になります。
注意が必要です。
他には、65万円の青色申告特別控除を受けるには、『帳簿への記帳の手間』も増えます。
しかし、会計ソフトを利用すれば、初心者でも、そんなに負荷なく対応可能です。
また、無理に複式簿記にしなくても、簡易簿記を選択すれば、白色申告と記帳の手間は変わらず、青色申告の特典を受けられます。
白色申告をするくらいなら、青色申告の簡易簿記を選択した方が、お得です。
いかがでしょうか。
以上が、白色申告と青色申告の違いとメリット・デメリットになります。
両者には違いやメリット・デメリットがあります。
しかし、青色申告のデメリットは、それを乗り越え、受けられるメリットに比べたら、受け入れる価値があります。
どちらにするか迷われているのなら、青色申告を選択されることをおすすめします。