『こだわり』と『頑固』という言葉をどのように使い分けていますか?
同じように使っていますか?
『こだわり』という言葉は、本来、下記のような意味があります。
- 心が何かにとらわれて、自由に考えることができなくなる
- 気にしなくてもいいようなことに必要以上に気にする
- 難癖をつける
- 物事が滞る
一方、『頑固』は、下記のような意味です。
- 頑なに自分の態度や考えを守ること
- 病気などが、なかなか治らないさま
両方とも、否定的な言葉です。
そして、「あることに囚われて、それ以外を受け付けない」という共通点があります。
しかし、言葉は、時代により変化するもの。
同じ言葉でも、意味が変化することもあります。
その顕著な例が『こだわり』という言葉です。
「こだわりの食材」、「こだわりの味」、「こだわりの逸品」、「こだわりの宿」など…。
最近、『こだわり』という言葉が、肯定的に使われています。
『頑固』も肯定的に使われることもありますが、『こだわり』ほどではありません。
今だ、否定的な意味の方が、圧倒的に多いのが現状です。
しかし、ポジティブな意味へと変化した『こだわり』と、ネガティブな意味のままの『頑固』の違いとは何でしょうか?
私は、その境界線は、『人に幸せをもたらすか』にあると思います。
『こだわり』の目指す所は、喜び、安心、癒しなど、周囲の『幸せ』にあります。
そのために、物事を追求し、それをカタチにしようとします。
そして、周囲に受け入れられなければ、さらなる追求をします。
そうして出来上がったものは、共感を呼び、波及、継承、発展していきます。
『頑固』の目指す所は、『保身』や『優越感』です。
それは、プライド、慢心、執着、保守、正当性の主張、圧力、支配等から成り立っています。
そして、自分の価値観やスタイルなどが受け入れなければ、相手を否定したり、排除します。
相手を受け入れることは、妥協であり、負けなのです。
それは、周囲を不快にし、その先には、衰退や孤独が待っています。
『こだわり』は、自分を含め周囲を対象にし、多くの幸せを生みます。
『頑固』は、自己を守り、周囲を不快にします。
この世の中は、自分が与えたものが戻ってきます。
多くの人に幸せを与えた人は、回り回って、自分に幸せが戻ってきます。
多くの人を不快にした人は、回り回って、自分が不快な状況になります。
あなたは、『こだわり』を持っていますか?
それは、周囲を幸せにするものですか?
あなたの保身や優越感から来たものではありませんか?
何かにこだわる際に、頭の片隅にでも置いていただければ幸いです。