前回、『善』と『悪』の話をしました。
残念ながら、悪と戦うヒーローは『善』ではないと…。
そのヒーローに対し、悪役と言えば、日本では、昔から『鬼』。
そもそも、『鬼』とは、何なのでしょうか。
鬼ごっこ、節分の鬼など、私たちは、幼い頃から、『鬼』という言葉に慣れ親しんでいます。
しかし、改めて聞かれると、よくわからないですよね。
一般的には、「頭に角を生やし、鋭い牙を持つ、人に危害を与える想像上の怪物」。
でも、「それはわかるけど???」って感じですよね。
いったい何者なのでしょう。
『鬼(オニ)』の言霊・数霊を読み解いてみると、下記のような言葉が浮かび上がります。
「奥深い所に圧力がかかる」「膨張して放射する」「重要なものの陰」
「分離し、宇宙のリズムと方向性を示す」「源に繋がる」「改心する」
「三六九の橋渡し」「和合して神意と共に生きる」
これらから、『鬼』は、「重要なものの陰」で、その「重要なもの」から「分離し、宇宙のリズムと方向性を示す」存在であることがわかります。
そうすることで、弥勒の世(神世)への橋渡しという役目を果たすのです。
その具体的な方法はと言うと、
心の奥深い所にある魂(本当の自分=根源神の分神=光=愛)に、膨張することで圧力をかけ、
苦しくなった魂が、光(愛・本当の自分)を放射することで、圧を解き放つよう働きかける。
それは、言い換えれば、相容れないモノ・コト・ヒト等と和合=改心であり、
その繰り返しにより、いずれ、源(根源神)へと繋がり、神意と共に生きるようになる。
そのように読み解けます。
一方、私たちのことを表す、『人』あるいは『人間』という言葉。
これらは、言霊・数霊的には、どのような意味を持つのでしょうか。
『人(ヒト)』の言霊・数霊で読み解くと、
「根源から出て統合する」「生命が放射する」「根源から離れる」
「神意を実現するため、確たる信念を持つことで開花し喜びを得る」
「命」「夜明け」「回復」
簡単に言えば、宇宙の源である根源神から御霊(魂)をもらい、生命として誕生したのが『人』といったところでしょうか。
一方、『人間(ニンゲン)』の言霊・数霊で読み解くと、
「圧力により押し出す力が放出され、押し出す力により放射される実体(光)」
「重要なもの」「根源から出る新しい陽」
「宇宙エネルギーの始まりであり、神々のエネルギーの始まり」「光」「天神」
「大自然の意に生かされて一体となって弥勒の世へ進んでいく様」「三六九の橋渡し」
ここで注目すべきは、『人間』を読み解いた中にある「重要なもの」という言葉。
『鬼』は、「重要なものの陰」なので、「人間の陰」ということになります。
そして、『人間』は、圧力により生まれ出た「光=神」であることが読み取れます。
その圧力をかけたのが『鬼』。
膨張することで圧力をかけたのです。
つまり、『人』の魂に『鬼』が圧力をかけ、進化したのが、『人間(=光=神)』。
人は、鬼により、人間となり神となるのです。
以前の記事で言うと、『人』=『蛭子(日流子?)』、『人間』=『卑弥呼(日御子)』。
卑弥呼(日御子)は、繋がり合うことで、天照大神となり、天岩戸を開きます。
ということは、神(=光=愛)である人間が繋がり合うことで、大きな神(=光=愛)となり、
愛の光で遍く照らすことで、この闇世は、光(愛)の世界へと変わるということ。
ところで、『鬼』は、人の魂に膨張することで圧力をかけ、人間へと進化させようとしますが、その『圧力となる膨張するもの』とは何か、おわかりになるでしょうか。
それは、心の曇り。
純真無垢な子供にはない、心の曇りです。
それを作ったのは、私たち自身。
強く柔らかな愛の光を放つ太陽=魂の周りに、不満、怖れ、嫉妬などのネガティブや感情や、
常識や思い込みなどの心の縛りといった心の曇り=雲を作り出しているのは、私たち自身。
その心の曇り=雲が、多ければ多いほど、また、厚ければ厚いほど、太陽=魂からの光(愛)を遮り、地上(現実世界)に雲の影ができ、地上(現実世界)が闇と化すでしょう。
その影・闇が、あなたの敵であり、悪であり、鬼となるのです。
私たちは、自分で鬼を作り出しているのです。
個人的な鬼は自分の意識が、世の中など集合体に対する鬼は集合意識が…。
鬼が、私たちを苦しめていたのではなく、私たちの心の曇りが鬼を生み、苦しめていたのです。
雲が覆えば覆うほど、太陽(魂=本当の自分)は閉じ込められ、息苦しく、孤独になります。
その雲の壁を解き放つには、光(愛・本当の自分)を周囲へと放つのです。
伸び伸びと自分らしく、周囲に、温かな愛や、希望・喜びといった光を放つのです。
『人』と『人間』の違いは、『間』があるかどうか。
『間』は、『間』という字の『門』が示すように、二つのものが向き合うことで成り立ちます。
また、『門』の間にある『日』は、日=太陽の光=魂の光(愛)を表すのではないでしょうか。
向き合った二つのものの間に光(愛)があることが、『間』。
その『間』を持つ『人』が『人間』。
『人間』とは、自分以外に対し光(愛)を捧げられる人を意味しているのではないでしょうか。
それは、相手が人間に限らず、モノ・コトすべてにおいて…。
それに対し、いつも自分のことしか考えていない人を『間抜け』と言うのでしょうね。
独り善がりな人を…。
昔、『妖怪人間ベム』というアニメで、「早く人間になりたい」なんてセリフがありましたが、
この世の中には、『人間』になっていない『人』がたくさんいるのではないでしょうか。
一人でも多く方が『人間』となり、この闇世が光(愛)の世界へと変わることを願っています。