美内すずえ著『アマテラス』

美内すずえさんの長編漫画『アマテラス』をご存知でしょうか。

1987年から1994年にかけて5冊出版されている、いまだ、未完結の作品です。

実は、私も先日まで、この漫画の存在を知りませんでした。
しかし、読んでみて驚きです!

今まで自分に起きたことや感じたこと、不思議な出来事と共にやって来た繋がりを持つキーワードが、この漫画の中に凝縮されているのです。

どうやら、この『アマテラス』と言う漫画、単なる空想の産物ではなさそうです。

その『アマテラス』の内容を要約すると、下記の通り。

遠い昔、地上には、広大なムー大陸が存在し、ムー帝国が存在していた。

ムー帝国を治める帝国王は、この世のすべてのものを産み出した母なる神、天帝(ラ・ムー)の教えを民にを説き、天帝の代理人として、人種を超えて平和な世界を築いていた。

そして、いつしか、民は、帝国王をラ・ムーと呼ぶようになった。

しかし、文明の発達に従い、民は、神の教えを忘れ、権力を求め、殺し合いをするように。

そして、母なる神である天帝ではなく、富・権力・利益など人間の欲望を満たす、破壊と闇の世界の帝王である魔神を崇めるようになった。

魂と引き換えに欲望を満たした人々の心は魔神に支配され、欲望をめぐる争いは、さらにエスカレート。やがて、その矛先は、ムー帝国王を向けられた。

ムー帝国の神軍は、魔神を倒すため戦ったが、その戦いは何万年も続き、地球は荒れ果て、荒れた波動は、宇宙の他の星にも影響を与え始めた。

とうとう、天帝の怒りに触れ、天変地異が下り、地球は荒れ果て、ムー大陸は海底へ。
生き残ったムーの人々は世界の各地に散った。

帝国王は、ムーが沈む前に、三人の我が子を呼び、帝国の王の印である三つの神の宝を与えた。

そして、鏡を与えた一番目の姫神には日の国を治めるように、玉を与えた二番目の雄神には夜の国を治めるように、剣を与え三番目の雄神には海を治めるように命じた。そして、言った。

“天帝は怒り、姿を隠された。しばらくは、魔神が支配する獣の世が続くであろう。
しかし、獣の世の末に、ヤマトの地にムーの神軍の再来を約束された。

その時に、三つの神の宝を一つに集め、再び、国を建て直し、天帝の光り輝く世と成すのだ。

その時が来たら、我が神殿は、再び、この世に現れよう。
神軍の兵士は、記憶とともに、神の力を蘇らせるであろう。”

そして、物語は『千倉沙那』を主人公に、記憶や神の力を蘇らせながら、ムーの神軍が結集していく様子が描かれています。

この『千倉沙那』こそ、ムーの神軍を率いる女神クシュリナーダ(櫛名田姫)なのです。
そして、そのパートナーはスサノオ。

漫画の中には、古事記や浦島太郎の話、山幸彦と海幸彦の話、そして、美内すずえさんが経験したり、受け取ったと思われる内容など、様々な内容がてんこ盛り。

古代、神話、おとぎ話、不思議な話が好きな人にとっては、魅力的な作品になっています。

しかし、この漫画。読んでいて、所々、しっくりこない所があるんです。

特に、話の根幹となる所が引っかかって、「なんか違う気がする」と感じてしまいます。

例えば、主人公が櫛名田姫ということ。
そして、そのパートナーがスサノオであることです。

そして、その二人が、古事記で有名な八岐大蛇を退治した場面にも違和感が…。

というのも、今まで感じてきたものから、私の中では、争いのない平和な国であるムー帝国に繋がるのは、瀬織津姫であり、そのパートナーはニギハヤヒのように感じるからです。

そして、八岐大蛇が、天帝(ラ・ムー)のように感じます。

これは、八岐大蛇という文字から、大きな渦龍の集合体をイメージがしたからです。

私たち人間も含め、自然界のものは、すべて、天帝(ラ・ムー)の分け御霊。

そして、天帝は、宇宙に中心に存在する巨大な渦であり、蛇or龍である宇宙エネルギーです。

八岐大蛇とは、まさしく天帝(ラ・ムー)を表しているのではないでしょうか。
もしくは、ラ・ムーと言われた天帝の代理人であるムーの帝国王のように感じます。

そして、ムーの帝国王は、ニギハヤヒというより、瀬織津姫ではないかと…。

しかし、そうだとすると、八岐大蛇の話は、おかしなことになるのです。

天帝王が、天帝or自分を恐れ、天帝or自分を退治してもらうということに…。

でも、これで、正解のように思います。

つまり、天帝は自ら身を隠したor帝国王は天帝の意を受け入れ、魔神の支配を受け入れたということを表現しているのでしょう。

しかし、3次元の世界では、実際、魔神側と天帝側に分かれて争いがあったと思われます。

そして、魔神側が勝利し、草薙の剣を得て、世の中を支配し、八岐大蛇の話を書いたのしょう。

自分達の都合がよいように、天帝or帝国王を悪者にし、隠し、瀬織津姫の名前を変えたのです。

これは、歴史上の人物では、天武天皇と額田王、天智天皇、持統天皇の関係を表しているように思います。

名前を変えられた瀬織津姫が額田王だとすると、共に天智天皇の妻であり巫女である額田王と倭姫は、同一人物かもしれないですね。

天智天皇がスサノオで、持統天皇がアマテラス、天武天皇がニギハヤヒかもしれません。

あくまで、現時点での私の推測に過ぎないですが…。

しかし、いずれにしても、魔神も魔神側の人物も、もとは、天帝の分け御霊。
悪役を演じたに過ぎないのでしょうね。

ずっと幸せだと、それを幸せだと感じないもの。

だから、神は、光と闇の2極の世界を作り、闇の世界を体験する機会を設けたのかもしれません。

私達が闇を受け入れ、感謝できた時に、この世は、再び、幸せな世界へと戻るように思います。

美内すずえさんの『アマテラス』が気になる方、ぜひ、読んでみてください。

気になるということは、ムーの神軍かもしれませんよ。
中には、魔神側の人もいるかもしれないですけど…。

どちらかは、自分の人生を振り返ると判断できるのではないでしょうか。