大企業のメリット・デメリットは、何でしょうか。
就職先を検討している方や、大企業を退職しようかと悩んでいる方は、気になるところだと思います。
一昔前の世の中のイメージでは、大企業に入れば、安泰なイメージはありましたが、昨今では、その大企業でさえ、経営難に陥るケースも増えており、そのイメージも揺らぎ始めています。
そう言う時代であるからこそ、大企業や中小企業、自営業などのそれぞれのメリット・デメリットを把握し、また、自身の適性を吟味して、人生を選択していく必要があるのではないかと思います。
その参考になればと思い、大企業を辞めたからこそ、より強く感じた「大企業のメリット・デメリット」をそれぞれ5つご紹介します。
自身の置かれている状況や立場、価値観などにより、物事の捉え方も異なりますので、これがすべての方に正解とは言えませんが、少しでも、どなたかの参考になればと思っております。
メリット
まずは、大企業のメリットを5つ、解説しながら、ご紹介します。
①社会的信頼・知名度が高い
②待遇・福利厚生が高水準
③(比較的)安定感がある
これは、詳しく説明するまでもないと思います。
しかし、待遇については、大企業に限ったことではないと思いますが、高水準といっても、性別や学歴などにより社内格差があることも多いかと思います。
男女雇用均等法が制定されて30年以上が経ちますが、未だに女性に対する偏見や差別があるところも多いのではないでしょうか。
④様々な仕事をするチャンスがある
組織が大きいだけに部署も多数あり、様々な仕事をするチャンスはあるかと思います。
また、事業規模も大きいため、社会的影響もあるような大きな仕事に就くチャンスもあります。私も、様々な部署で、個人や中小企業では経験できないような仕事もさせていただきました。
中には、長年、同じ部署で同じ仕事をする方もいますが、それはそれで、専門的な技術を身に付けたい方や一つのことを極めたい方にはよいかと思います。
⑤社内異動で環境を変えられる
職場環境に問題がある場合にも、会社を辞めるまでしなくとも、他の部署への異動という選択肢があります。
会社によっては、自己申告制度というものがあり、希望の勤務地や部署などを申告できたり、社内公募に応募できたりします。
しかしながら、なかなか希望通りにはいかないのが現状です。
でも、私は、運よく、希望部署に異動できましたので、あきらめずに申告する価値はあると思います。
一方、本人の意図しない異動も多々あります。むしろ、こちらの方が多いので、社内異動に関しては、デメリットに感じる方が多いかもしれません。
デメリット
以下は、大企業の5つのデメリットをご紹介します。
①人間関係が複雑
人が多いだけに、いろいろな人がいますし、セクハラ、パワハラ、いじめなど、不愉快な気分にさせられる機会も多くあります。
また、好まざるとも、出世競争や、男女の奪い合い、その他、様々な競争に巻き込まれたりもします。
ストレスで、精神的な病になることも珍しくはありません。
②個の埋没
残念ながら、大きな組織の中で、個性を生かすことは難しいです。
むしろ、個性をなくした方が、細く長くいることができるように思います。
競争社会の中では、良くも悪くも、目立つと、矢面に立ちます。
正義感やバカ正直は要注意です。私も、これで、よく失敗していました。
③社内調整が大変
組織が大きいだけに、社内調整への時間的、精神的負荷も大きく、大変です。
いろいろな人がいろいろなことを言ってきます。特に、統括部門は、自部門の他、関連部署や上層部、社外など、調整先も多く、調整にかなりの時間を費やします。
皆が、納得のいく、建設的な意見だと有難いのですが、ただ非難するだけの人や、首をかしげたくなるようなことを言ってくる人も多いです。
また、全員の意見を取り入れていると、おかしなことになったり、事が進まないことも多いです。
逆に、何かあれば、誰かが指摘してくれるだろうと、チェック機能が働かない時もあります。
④新しいことにチャレンジしにくい
社内調整に付随しますが、何か新しいことをしようとすると、さらに様々なことを言われます。
出世や評価に固執するあまり、失敗を恐れる上司や、部下が成功して自分より目立つことを恐れる上司、自分が否定されたと思い、攻撃してくる前任者、批判しながらも横取りしようとする同僚、新規に生じる仕事の押し付け合いをする関連部署など、様々な人間模様が繰り広げられます。まさしく、大企業病です。
⑤正当な評価を得られにくい
一つ仕事に多くの人が関わっていることが多く、個人の成果は見えにくくなります。
製造や営業部門だと、比較的わかりやすいのですが、間接部門だと、例え、自分の努力で成果を出したとしても、それを認めてもらうのは難しいと言えます。
また、評価は、同僚との相対評価で、上位評価に人数制限があったり、部署により評価限度があったりしますので、少々のことでは高い評価は得られません。
優秀な人材が集まるような部署では、なおさらです。雇用区分による制限もあります。
また、評価する上司が、好き嫌いや嫉妬から正当に評価をしない場合や、異動してきたばかりで、適切な評価ができない場合もあります。
成果を出しても、必ずしも、正当な評価・待遇を受けるとは限りません。
以上ですが、大企業の他、中小企業、自営業のメリット、デメリットも把握し、自分にあった所を選択していただければと思います。
どこに向いているかわからない人は、とりあえず、入るのが難しいとされる大企業から入り、合っていないと思ったら、無理せず、次の道へ進むというのも、一つの選択肢かと思います。
私は、経験こそ、人生における財産だと思っています。経験は、自分を大きくし、自信をつけてくれます。誰かに奪われる心配もありません。
一つの所で一つのことを極めるという経験も大切かと思いますが、様々な所で様々な経験をすることも、素晴らしい経験かと思います。
自分の納得のいく豊かな人生を送りたいですね。
なお、「大企業に向いている人・向いていない人」という記事もあります。
よかったら、参考にしてください。