我が国には、様々な伝統文化があります。
それは、伝統工芸、伝統芸能、華道、茶道、書道、盆栽、和太鼓、和食、年中行事、和の心、おもてなし文化、武士道精神、宗教など、多岐に渡ります。
しかし、海外文化の流入によるライフスタイルや価値観の変化、少子高齢化、産業の発展など、様々な要因により、現在、日本の伝統文化は衰退の危機に瀕しています。
文明が発達する中で、私達は、新しいもの、便利なものへと意識が向き、いにしえより受け継いできた大切な文化が消えつつあるのです。
日本の伝統文化には、美、技術、知恵、想い、生き方、人々との繋がり、自然との調和など、様々なものが織り込まれています。
また、言霊、数霊、音霊、型霊、色霊などで、人々を幸せに導くパワーが宿っています。
伝統文化は、先人からの大切な贈物、いや宝物なのです。
それを後世の私達が絶やしてはいけません。
日本人として生まれたからには、また、日本という国に住んでいるからには、その文化を繋ぎ、価値あるものを広める義務があるのではないでしょうか。
それが日本が本来の力を取り戻し、日本や世界を守ることに繋がると感じています。
戦後、日本は、経済の立て直しのため、がむしゃらに働き、モノづくりを軸に、世の中に便利なものを生み出してきました。
しかし、それも飽和状態。アイデアは底をつき始め、多機能になった商品は、故障が増えたり、操作が複雑になって、かえって不便なものになりつつあります。
また、産業の発展とともに自然環境は破壊され、働きづめの人生は、心を疲れさせ、心の病になる人も珍しくなりません。
今でこそ、原点回帰。
日本の原点に立ち戻り、日本という国のあり方、日本人としての生き方を見直すべき時ではないでしょうか。
そして、もっと心穏やかに暮らしていた昔の日本、昔の文化に目を向けるべきと思います。
日本の伝統文化は、日本という国を象徴するものであり、他国にはない日本の魅力です。
もともと持っていた魅力を見直し、輝かせることで、日本に元気が戻るのではないでしょうか。
そして、その魅力は、世界へと伝わり、世界の人々をも元気にする力があると思うのです。
昨今の日本食ブームが、それを顕著に現わしていると思います。
しかし、日本の伝統文化を継承・発展させるには、どうすればよいのでしょうか?
簡単なようで、難しい課題です。
昔のやり方をひたすら守る。それだけでは、衰退は免れないように思います。
自然界に存在するものは、日々、変化しています。
不変と思われる山、川、海、空、宇宙も、刻一刻と変化しているのです。
変化することが自然な流れです。
伝統文化の継承・発展も、この『変化を受け入れる』ことがキーポイントだと思います。
その文化が持っている価値を継承しながらも、それを提供する技術や表現方法などの手段は時代に合わせて変化させることが必要と感じます。
但し、やみくもに変化させて、もともとの価値を損なわせては、先人に対し、失礼です。
先人の知恵、技術を学び、そこに込められた想いをくみ取り、そこにある価値を損なわないまま、今の時代に合わせ、より魅力的に変化させ、輝かせる。それが必要と感じます。
もちろん、昔のままのものにも価値はあります。
残すものは残し、変化を加えていく。それを忘れてはいけません。
また、伝統文化の継承・発展は、その文化の継承者に任せばよいというものではありません。
それには、支えが必要です。
伝統文化の継承者ではない多くの日本人は、伝統文化の魅力を再認識し、それを自らの暮らしに取り入れ、その良さを周囲に伝えることが、伝統文化を支えることになります。
そして、それが、日本の伝統文化の継承・発展に繋がります。
あなたも、日本の伝統文化の継承・発展に貢献しませんか。
あなたにできる何か。それを意識し、行動いただければ幸いです。